2014年11月のブログ

2014年11月23日 (日曜日)

家の骨組みと生活の距離感

年末のお引渡しに向けて設計・工事中の

大鰐町にある「下牡丹森の家」。何度か

ご紹介しましたが、シンボリックな丸太

の大黒柱が大きな空間の真ん中に

すっと建っている住宅です。

1

この写真でわかる通り、抱きつける位の太さです。

一階と二階の同じ位置に二本あるのですが、

一階は直径二十八センチ、

二階は直径二十六センチもあります。

一昔前の、いわゆる古民家という住まいでは

必ずといっていいほどこの大黒柱がありました。

そこで暮らしている家族が自分達の家の

一番重要な構造体のことをよく知っていて、

生活の中で身近な存在だったと思います。

よく子供の身長に合わせてキズを付けて

いたり、落書きしたり、よじ登ったりして、

暮らしと密接な関係がありました。

今回大黒柱のあるお家を設計しながら

考えたことは、構造体と家族との距離感です。

最近よく見かける住宅はどちらかといえば

構造体が壁や天井の中に隠れていて、

暮らしとは無関係なことが多いと思うのですが、

「下牡丹森の家」では構造としてだけではなく、

何気ない暮らしの中に馴染むような身近な

存在になればと考えました。

一階の天井は仕上げをほとんど省略して、

二階の床を支える梁なども現していますが、

大黒柱が二階の床を支えている様子が

よくわかります。

2

柱の頭や足元部分はなるべくシンプルに

したかったので、大工さんの知恵と技術

に頼りながら何とか上手く納めてもらいました。

3

いつも感心するのですが、僕の無茶な希望を、

四苦八苦しながら手作業で実現してしまう

職人さん達はやっぱりめちゃくちゃカッコいいですね!

 

4

二階は若夫婦と子供達がくつろぐための

スペースになっていて、一階と同じく

大きな空間の真ん中に柱が建っています。

南側は全幅の開口を設けてあって、

これから全幅の読書カウンターが付けられます。

5

日の差し込む方向とか、気分によって好きな位置に

椅子を置いてくつろぐカフェの様なゆるい空間です。

窓の外には隣家の屋根がまるでランドスケープの

ように見えます。

6

先日現場で建て主さんとお打ち合わせ中に、

奥様がご主人に何気なく、

「この柱に子供の背丈に合わせてキズつけられるね!」

と話しているのを聞いて、僕が想像する以上に素敵な

建築と住み手との関係性が生まれそうな予感に

ワクワクしている今日この頃です!

 

葛西 瑞都

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