2015年3月のブログ

2015年3月17日 (火曜日)

家の模型を展示することのリアリティ。

弘前市の早稲田に、完成済みや進行中の

模型を展示したギャラリーがあります。

元々小さなスペースの中に大きな模型が

ゴロゴロと並んでいて、

ずいぶん前から飽和状態。

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少しずつ藤崎町の本社に送ったりしながら

やりくりしている状態です。

そんなギャラリーで仕事をしているのですが、

たまにふらっと見学に来てくれる人がいます。

その中の、先日初めて来て下さったご家族との

会話の中で少し発見したことがあります。

いつも通りひとつひとつの模型について、

こういう建物になった経緯や理由などを

説明していたのですが、

その時、不意に

「こんなリアルな展示場初めてです」

と言われました。

はて、リアルとはどういうことかな??

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よくよく考えてみると、

通常住宅の展示場というのは

見学する人に向けて全ての展示物が作られています。

写真や実物を展示して、

「こんなキッチンいかがですか?」

とか、

「このインテリア、格好良いでしょ?」

みたいなことを、なるべくリアルに

表現しています。

建てる家の未来像について、

こんなに素敵な家が建ちますよ!

というのが一般的だと思います。

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それに比べると、こちらで展示している

模型達はほぼ全てが過去に造られた

実物と同じものです。

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工事前に建て主さんとイメージを

共有するために製作して、自宅に

持ち帰ってもらいじっくり眺められ、

試行錯誤の役に立ったリアリティがあります。

たまにコーヒーの染みとか付いてたりして(笑)。

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一般的な展示と決定的に違うのは、

それぞれの模型が過去の家づくりの様子を

伝えていることです。

よくよく考えてみると、ここで伝えたいのは

僕たちの家づくりに対する考え方とか、

建て主さんとの付き合い方みたいなもの

かもしれません。

表面上のココがカッコいいとか、

ココがかわいいとかを話すよりも、

内側に潜む、ココを決めるのに

みんなで悩んで苦労した!とか、

ココは子供の本能に委ねた!とか、

そこかしこにまつわるお話の方が面白いと

感じることもよくあります。

多分、家づくりを楽しむ秘訣のひとつは

「楽しく悩む」こと。それを考える時に、

今まで他の人達がどういうことで

楽しく悩んでいたかを垣間見られるこの展示は、

結構大きな意味があるかもしれないなぁと

感じる小春日和でありました。

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葛西 瑞都

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2015年3月 4日 (水曜日)

判断基準に訴えかけるアイディア。

僕がご提案するプランの中には

しばしば吹抜けが登場します。

前回のブログ書いているように、

吹抜けには空間を完結させない効果が

あるように思えるし、

家族同士のコミュニケーションが

生まれると考えているからです。

そんな吹抜けですが、

小さな建物であればある程

効果があると思っています。

小さな建物は1、2階に家族が点在

していても実は距離が近かったりするので、

少し床を取り払って小窓を設けるだけで

家族同士が繋がるからです。

 

例えば30坪程度のお家だとして、

子供部屋を少し切り詰めて5帖分位の

吹抜けを計画し、子供部屋と下階を窓で繋いだときに、

「良いと思うのでこのまま残してください」

と言われる場合があります。

建て主によっては

「もったいないから床にしてくれ」

と言われることもあるわけですが、

この建て主は

「10帖の子供部屋より広く感じるよ」

と笑ってくれました。

ここで考えたいのは、どの建て主が

良いとか悪いとかという話ではなく、

建て主の判断基準に訴えかける

アイディアについてです。

この建て主は多分、数字上の床面積は

減ってしまうけれど、本質的に広がりを

感じられるとイメージしたと思うのです。

今回はわかりやすく吹抜けを例にしましたが、

吹抜けに限らず、

建て主に自分の判断基準について

一度考えてもらえるきっかけとなるような

アイディアは、家づくりをしていく上で

結構重要なのではないか?

と考えるようになりました。

設計側も建て主側も初めは

手探り状態だった完成像が、

少しずつリアリティを持ち始める過程の中で、

良い意味で建て主を悩ませるアイディアを

考える事が、最近気付いた僕の課題です。

 

葛西 瑞都

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2015年3月 1日 (日曜日)

寸法の不自由さから抜け出す試行錯誤。

空間には寸法の持つ不自由さというものが

あると思います。

建ち上がる建築は必ず高さとか長さとか

幅とか奥行きなどの寸法を持っていて、

それらを元に面積や容積を

計算することが出来ます。

すると、その建物が持つ広さは、

㎡とか帖とか坪などの単位で

数字に置き換えられます。

○㎡だから広い、○帖だから狭い

という判断基準ができてしまう。

確かに家具を置くために必要な

面積みたいなものは必要だと

思いますが、身体一つで空間を

感じてみる時、数字上の広さは

あまり重要じゃない気がしています。

例えば同じ床面積の部屋でも、

窓ひとつ無い完結した部屋よりも、

縁側なんかの半屋外空間と大きな開口で

繋がっていて気分しだいで

内で過ごすか外で過ごすか

選択できるような部屋で過ごす方が、

開放的で広々と感じるに決まっています。

部屋の向こうに続きがあるからでしょうか。

縁側みたいに大胆な仕掛けでなくても、

小さな吹抜けひとつあるだけで、

空を眺められたり2階にいる家族と

繋がることができます。

スキップフロアにして斜め方向の

繋がりをつくってみてもいいかもしれないし、

内装の雰囲気を変えるだけでも

違った広さで感じられると思います。

敷地条件や建物予算でほぼ

建物の数字上の規模は決まってしまいますが、

実際の床面積以上の広がりを

持つ空間をつくれると信じて

試行錯誤することで、寸法の不自由さから

抜け出したいといつも思っています。

 

葛西 瑞都

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